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27 janvier

ドン・カルロ

 

 

ヴェルディのオペラ。今回聞いた(DVD)のはオリジナル版

(この作品には多数の版が存在する)に近いフランス語、5幕版。

演奏時間だけで3時間半もある大作。

お話はスペイン、フェリペ2世の治世。スペインが世界の半分を

支配し、目の上のたんこぶであったオスマントルコをレパントの

海戦で徹底的に叩いた時代。犬猿の仲のフランスとの講和も成立

し、フランス王女エリザベータが息子のドンカルロに嫁ぐことに

なっていた。ところが条約成立後、彼女の嫁ぎ先と決まったのは

現王、フェリペ2世。事前に婚約者としてお互いを意識していた

二人は突然親子という立場におかれるようになってしまった。

このあたりは同時代の作曲家ワグナーが取り上げた「トリスタン

とイゾルデ」と良く似た設定。

 

運命が隔ててもお互いに引き合う王妃と王子二人。新しい夫人を

愛していながら彼女の心が自分にないことに激しく嫉妬する王。

これに王の寵臣でありながら王子の親友であるロドリーゴ、王子

を愛しながらエリザベータの女官であるエボリが複雑に絡み合う

お話。全てがうまくいっていた日の出の勢いの王国の内部でこん

なドロドロの悲劇が進行し、得意の絶頂にあったはずの王、王子

が一人の女性をめぐって懊悩している。かなりの部分フィクショ

ンでしょうけどありそうな話です。

登場人物みんながお互いに絡まりあった運命の中でどんどん煮詰

まっていく。最後にロドリーゴは王に殺され、王子も反乱の罪で

投獄され獄死する。

もちろんヴェルディの音楽もすばらしいけど、このオペラはスト

ーリーで楽しめる。原作はベートーベンの合唱に取り上げられた

詩で有名なシラー。若い時代、シュトゥルム・ウント・ドラング

時期の作品。原作と作曲者にこれだけ役者を得れば面白くないは

ずが無い?

 

これも是非、生で見たいものです。

15 janvier

トスカ

本日1/14はプッチーニの傑作オペラ、トスカが
初演された日。偶然ながら昨日DVDでトスカを鑑
賞。これも凄い作品だ。
19世紀最後の年、1900年ローマで初演されたトス
カ。批評家の評価は芳しくなかったが、聴衆は熱
狂的にこれを受け入れられたらしい。作中で主な
登場人物がみんな死んでしまい(殺人1、自殺2
、刑死1)しかもその中の一人はヒロイン による
殺人事件。ストーリとは関係なく登場人物が長大
なアリアを歌ったり、確かにいろいろ突っ込みど
ころはある作品です。しかし、我々の頭の中にあ
る華麗で大げさなほどドラマチックというオペラ
のイメージそのままの作品。

ストーリーは単純。
脱獄した共和主義者をかばった画家とその恋人ト
スカ。トスカを横恋慕する警視。脱獄幇助で逮捕
した恋人を助ける条件でトスカを横取りしようと
した警視は逆にトスカに殺されしまう。助かるは
ずの画家も警視の陰謀で処刑されてしまい、世を
はかなんだトスカも最後に自殺する。実に救いの
無い暗い話(笑)
この場合、ストーリは脇役。難しいことを考えず
歌手の美声と熱演、プッチーニの世界に酔ってい
ればいいという作品ではないかと。

このDVDも先般のアイーダと同じで、ヴェロー
ナ音楽祭のライブ録音。演奏会場は本物の古代ロ
ーマ円形劇場の遺跡。
是非この地で一度本物を聞いてみたいものです
12 janvier

モーツアルトのオペラ

改めてモーツアルトのオペラ「フィガロの結婚」「魔笛」
「ドンジョバンニ」を(DVDで)見て、彼に対する見方
がかなり変わったように思います。まずはこれらの作品が
今でも変わらず面白いということ。なんでこんな面白いも
のを食わず嫌いしていたのかと反省。彼が全精力を傾けて
いたのは実は器楽曲でなくオペラだったのです。これを聞
き逃していたとは、なんというもったいない事をしていた
のか。またオペラからは彼の考え方、生き方が器楽曲より
直接的に伝わってきます。
まず驚いたのは「魔笛」。カトリック全盛の時代、エジプ
トの古代神、オリシス神やイシス神を崇める導師が崇めら
れるストーリーには腰を抜かしました。彼の所属していた
フリーメーソンの教義のようです。フィガロやドンジョバ
ンニでは貴族階級を徹底的に嘲笑、侮辱しています。この
時代にしては超革新的なオペラだったのでしょう。
彼の生きた時代を振り返ってみると22歳でアメリカ独立
戦争、33歳でフランス革命。風雲急を告げる疾風怒涛の
ベルバラの時代(笑)自身もザルツブルクの大司教と大喧
嘩して破門され、貴族の保護を受けずに活動した初めての
作曲家として有名。
最近、もっていろいろ知りたくて「モーツアルトとフリー
メーソン」というイギリス人のアマチュア研究家が書いた
本を読みました。映画の影響で軽薄な人間というイメージ
が定着したモーツアルトですが、実はかなり確信犯的社会
改革者だったという事実も見えてきます。
音楽だけでなくいろいろ奥が深い音楽家です。
9 janvier

トゥーランドット

トゥーランドット

先日のアィーダのDVD密輸成功に気をよくして今度は
通販でDVDを注文してみた。さて届くだろうか?

届きました!多分ハジの混乱でチェックが甘くなってい
たのでしょうか。入手したのはプッチーニの絶筆、明朝
の北京を舞台としたオペラ、トゥーランドット。

これもアイーダ同様また凄い!
1998年に北京の紫禁城を野外演奏会場として行われ
たライブ版。
総合演出はなんとあの名匠映画監督のチャンイーモウ。
コリオグラファーや衣装デザインも彼のスタッフである中
国人。時々西洋人が作る日本か韓国か中国かわからないよ
うなインチキ舞台でなく、まったく完全に明朝の北京が舞
台の上に出現。指揮は巨匠、ズービンメータが手兵フィレ
ンツェ5月祭音楽祭管弦楽団を率いての演奏。出演者は総
勢1000人以上。ダンスは北京舞踏学校の美しくも華や
かなお嬢さんたち。兵士のエキストラは本物の人民解放軍
兵士たち。
看板だけでなく中身も凄い。第一幕の首切り役人登場の
部分の京劇風ダンス、第二幕の大宮廷絵巻、そして圧巻
は第三幕の有名なアリア「誰も寝てはならない」の部分の
ランタンによる演出。美しすぎる!長い劇なのに全く飽き
ずに見ることができます。多分これまで見た(数少ないで
すが(笑))オペラの中で最高に感動できたかもしれない。

さてストーリー:美しい王女トゥーランドットは言い寄る若
い王子たちに難題を与えては、解けなかった彼らの首を
刎ねていた。彼女に一目ぼれしたチムールの王子カラフ
は彼女の出す難題をことごとく解く。全ての謎が解けて
も彼女は今度は「異邦人の嫁にはなりたくない」と駄々
をこね始める。カラフ王子は純粋に彼を慕う女奴隷リュウ
の助けを借りて最後はトゥーランドットの氷の心を溶かす
ことができる。めでたし。という話。

しかしこのストーリーにはちょっと納得しかねる(笑)
悪い女、冷たい女に惹かれる男性心理はわからんでもない。
私もそういうところ多分にある。しかし、彼を純粋に慕う
女奴隷が彼の為に命を投げだした後、すぐにまたトゥーラ
ンドットを口説き始めるか、普通?。
日本人的にはここでリュウの切ない思いが実ってハッピーエ
ンドというのが普通の感性だと思うのですが、さすが狩猟民
族の感性は違う。冷たい悪女を征服して御することのほうが
共感を呼ぶのでしょうか?

小学館魅惑のオペラシリーズその4
定価たったの3800円、絶対お買い得ですよ日本のみなさん!
3 janvier

アイーダ

クラッシク音楽が好きでもオペラは食わず嫌いが
続いておりましたが、先般のウィーン旅行で、か
の地のクラッシックファンといえば=オペラファン
であることを知り、遅ればせながらもちょっとかじ
って見ようかと、日本から決死の覚悟(笑)で密輸
したのがヴェルディのオペラ「アイーダ」
これを選んだのも、今年行ったエジプト、カイロ旅
行の影響。このオペラ、敵国エチオピアの女王アイ
ーダに恋して、エジプト王女からの求愛も将来の王
の席も蹴って、最後には処刑されてしまうエジプト
の将軍ラダメスが主人公。

これは凄いわ!絶句。
ヴェローナ音楽祭のライブ録音で演奏会場は本物の
古代ローマ円形劇場の遺跡。曲自体も演出も全てが
壮大、雄大で華麗。さすがヴェルディの代表作。半
端じゃありません。なんでこんな素晴らしいもの食
わず嫌いしてたんだろう。

しかもストーリーが泣かせます。素直に愛情表現が
出来なくなった今の自分を省みて、これだけ恋愛に
全てをかけられる生き方ができる主人公たちを見る
とうらやましさと、一種の清清しさまで感じてしま
います。
そういえばこのライブが演奏された場所、ヴェロー
ナはロメオとジュリエットの舞台でもあったのも何
かの偶然でしょうか?

このDVD、小学館魅惑のオペラシリーズ第6巻
3990円(これはお買い得!)で、今なら日本の
本屋さんに沢山並んでいるはずです。